あなたも谷津干潟のボランティアになって私たちと一緒に谷津干潟公園の豊かな自然と触れ合いませんか。私たち自然情報チームのメンバーは20人あまり、四季を通して谷津干潟公園の樹木や野草、昆虫などを観察し楽しんでいます。センターに飾られたボードでは、毎月、時期に適した新しいテーマで谷津の自然を展示しています。ボードは、センター入り口から入って右折するとすぐ右手にあります。実際のボードには植物の名前のほか特徴やちょっとしたエピソードが添えられています。是非ご覧にいらしてください。

 2012年9月のテーマは「くらべて見よう! 木の葉の形」でした。一見同じように見える樹木の葉も細部を観察すると、それぞれに違った特徴があることに気付きます。ボードの写真、右上角の「葉の形によるタイプ分類」を参考に、それぞれの特徴を観察しました。写真の左側の葉(緑が濃い葉)は表面、右側の葉(若干白っぽい葉)は裏面です。

テーマ:「くらべて見よう!木の葉の形」

観察日:2012年9月4日      場所:谷津干潟公園 
センターの展示ボード

林 将之著 「葉で見わける樹木」を参考にさせていただきました。

★単葉で葉身に切れ込みがあり、葉縁に鋸歯のあるもの
モミジバフウ

葉が3裂するフウに対し、これは掌状に5〜7裂し、
モミジ(カエデ類)に似ていることから、この名がついた。
 
ヤツデ

名は「八手」でも実際はこの写真のように7、9、11などの
奇数に裂けるものが多い。
 
フヨウ

葉はハート形で、ふつう掌状に浅く5裂する。
凹んだつけ根の所から、長い葉柄になる。
 
ムクゲ

葉は菱形に近い形で浅く3裂する。つけ根の3本の葉脈(三行脈)
が特徴。切れ込みの深さに変異があり、大振りの鋸歯なのか、
浅い切れ込みなのか判断しがたいことがある。
 
★次は単葉で葉身に切れ込みはあるが、鋸歯のないもの
ユリノキ

葉は半纏を広げたような独特な形で、別名はハンテンボク。
秋、黄葉後、落葉する。
 
カクレミノ

3裂する葉と裂けない葉が入り混じる。三行脈は共通。
葉の形が蓑に似ることからの命名である。
 
イチョウ

葉は扇形で、切れ込みのあるもの、ないものの変異がある。
若木や成長の勢いのよい枝に、深い切れ込みのある葉が
見られる。葉脈は二股分岐して平行脈状となる。
 
★つづいて単葉で切れ込みはないが、鋸歯のあるもの
カツラ

葉はハート形、鋸歯は丸い波状のフリルのよう。黄葉後の
新鮮な落ち葉はカラメルのような甘い香りを出す(香出:カヅ)。
これにちなむ命名。
 
トサミズキ

葉は左右不対照で、側脈は平行に走る。下部の側脈は
さらに外側に支脈を出す。側脈と側脈の間は山形にもりあがる。
 
コナラ

葉先に近い部分で葉幅が最大になる。
鋸歯は粗く、大きく目立つ。落葉樹。紅葉する。
 
アラカシ

カシ類の中では比較的葉幅が広く、上半分にだけ鋸歯のあるのが
特徴。裏面は白っぽいが、褐色の毛が生え、金色を帯びて見える。
 
★そして単葉で切れ込みも鋸歯もないもの
ヤマボウシ

側脈が4〜5対、弧を描くように伸び、葉先に集まる。
葉の裏の脈腋に黒褐色の毛が集まるのが特徴
 
ナンキンハゼ

葉は菱形に近い形で、しばしば縦より横の幅が広くなる。
葉のつけ根にいぼ状の腺体が一対ある。秋の紅葉が美しい。
 
★ここからは複葉。複葉は一つの葉が複数の小葉で成り立つもので、小葉の構成はさまざまである。
トチノキ

掌状複葉。これ全体で一枚の葉。
小葉は5〜9枚、中央の小葉が最も大きい。落葉樹。
 
ニワウルシ

奇数羽状複葉。鳥の羽状に並ぶ小葉は5〜16対にも及ぶ。
干潟公園で最大、最長の複葉。落葉樹。
 
ヒイラギナンテン

奇数羽状複葉。小葉は5〜9対。葉に鋭いトゲを持つため
魔よけの木とされる。常緑樹だが、低温では赤く変色する。
 
ネムノキ

二回偶数羽状複葉。下の写真も一枚の葉で、6〜10対の一回羽状複葉部 (羽片)に、小葉が再度羽状に20〜30対ほど並んでいる。触っても閉じないが、 暗くなると相対する小葉を重ね合わせて眠る。落葉樹。
 
 
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