オオヨシキリグループ調査活動等について
 例年、5月の連休頃になると、谷津干潟周りのヨシ原や木の上で大口を開けてギョギョシとさえずっている鳥がいます。このムクドリほどのおおきさの鳥がオオヨシキリです。この鳥が何羽いるのか、いつどこから渡ってくるのか、知りたいと思いました。そこで、ボランティアの仲間が集まり、調査グループが発足したのが1999年の春でした。当時のボランティアコーディネーターの鈴木チーフの助言を受け、オオヨシキリの生態や調査方法等を学びながら、活動を続けてきました。
 そして、生息数などの5年間の調査実績をまとめ、分析した結果を2004年に日本野鳥の会の研究誌「Strix vol.22」に「ラムサール条約登録地における住民参加による鳥類モニタリング調査の試み」と題して発表しました。その要約を「助っ人通信」でも紹介しました。
その後も現在まで、調査は継続していますが、オオヨシキリの最大個体数はあまり変化無く、23羽〜28羽くらいで、初認の日(はじめてオオヨシキリが確認された日)も4月27日前後です。
営巣調査@ 営巣調査A
営巣調査B 営巣調査C
 オオヨシキリとは、その名の通り、ヨシの状況と関係がありますが、谷津干潟のヨシの繁茂状況は10年前と比べるとかなり変化しています。干潟の南側の通称アヒル島はヨシが消えかかっているのに反し、北側のバラ園側(干潟体験ゾーンのある所)は、ヨシ原が拡がっています。調査は干潟のヨシ原の10ヶ所の地点を定めてオオヨシキリの個体数を中心に観察してきましたが、調査当初に比べオオヨシキリの生息場所も変化してきております。
 一方オオヨシキリの行動を知る手がかりとして、3年前から営巣状況を調べています。オオヨシキリの子育ても終わり、南へ渡っていった8月末頃、ヨシの中の巣を確認しています。
 オオヨシキリの「追っかけ」も11年していますが、まだまだ調べることも多いようです。これまでも、調査結果を中心に2回館内でオオヨシキリについての展示を行いましたが、昨年は日本人とオオヨシキリのかかわりを歴史的、文化的な側面からまとめて展示しました。オオヨシキリと関係が深いのは「ヨシ」です。そのため谷津干潟のヨシでよしずを作っている「よしずグループ」と合同で展示会を行い、我々の生活とヨシとの関わりまで踏み込んで解説しました。
オオヨシキリの巣 オオヨシキリ
個体数調査 オオヨシキリミニ観察会
オオヨシキリについて興味がわいたら「オオヨシキリグループ」の調査に参加してみませんか。
詳細は、観察センターのボランティア掲示板を見るか、観察センターへお問い合わせ下さい。

オオヨシキリグループ
今村貞尭
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